事業理念

なぜ、カブトムシ事業を行うのか?

1.キノコの廃菌床問題を解決できるSDGsにもつながる

  • 長野県中野市は、キノコ栽培が日本有数の地域です。キノコ農家が多く、キノコ栽培の後に「捨てるだけの廃菌床」が大量に出てきて、その廃菌床の廃棄は栽培農家の金額的な負担となっています。
  • しかし、それらの廃菌床は、撹拌機を使って大鋸屑(オガクズ)にすることによって、カブトムシやクワガタの幼虫の飼育マットや産卵用マットになります。このようなリサイクルができると、キノコ農家の負担が減り、経営的に大きなメリットをもたらします
  • 廃菌床をリサイクルすることはSDGsの取り組みにもなり、地域社会への貢献ができるビジネス事業です。
  • さらに、キノコ農家が持っている接種機や殺菌釜を使うと、カブトムシやクワガタなどの昆虫の餌を作ることができるので、現在拡大している昆虫食市場の方にも波及していく効果が期待できます

2.キノコ農家を救う事業になる

  • 長野県中野市にはキノコ農家が多いです。しかし、年々キノコ農家の数が減少しています。それは中野市だけに限らず、日本全国でその傾向になっています。
  • まず、キノコ農家の異常な減少数に注目すると、平成11年に約4万戸だったキノコ農家の数が、平成28年には約2.9万戸になっており、わずか17年間で約3分の1以下になっています
    理由は、投資した施設や設備に対して儲からないという切実な費用対効果の問題に直面してきているからです。また、農業の高齢化や若者の就農希望者が少ないことも影響しています。
  • さらに、その実態を見ると深刻です。図2より、キノコ類の年間世帯購入は「乾しいたけ」と「生しいたけ」以外は少しずつ上がっています。そのため、キノコ市場は微増で供給量が上がっている市場にも関わらず、キノコ農家が激減している実態が理解できます。これは、販売量を増やしても利益が出ないことを示しています
  • こうした事例から、キノコ農家の費用対効果がいかに深刻であるかが理解できます。
  • このように費用対効果が悪いキノコ農家に対して、廃菌床を捨てるための金銭的な負担を減らすことができたら、この地域のキノコ農家の経営サポートにもつながります。

3.廃屋施設の効果的な活用になる

  • 近年、キノコ農家が廃業することによって、廃屋となった施設の増加が問題となっています。特に、農協や大手企業のような資本力のある所でさえも継続していません。資本力の大きな所は、大きな施設を抱えており、それらが古くなって廃屋になったまま放置されています。この現象の原因は、キノコ栽培が儲からないので工場を再開しても投資資金回収の目途が立たないためです。
  • そのため、このようなキノコ栽培の廃屋施設の有効活用をするアイデアや事業化が求められています。そのアイデアの事業化としてカブトムシ・クワガタ事業は適しているのです。
  • キノコの栽培施設では、菌床を常温に保つために防寒対策がされた部屋があります。そこは長野県の寒い冬場でも温度を保てるため、カブトムシやクワガタの幼虫を飼育するには最適な空間です。また、温度調節のための光熱費も低く抑えられるメリットがあります。さらに、撹拌機など騒音を出す機械の作業もこうした施設は住宅地から離れているため、騒音問題も起きません。
  • このように、廃屋施設の活用によって社会問題になっている空き家・空き施設問題の解決にも貢献できる事業です。

当団体のミッション・ビジョン

1.構成メンバーについて

  • 当団体は、社会起業家が集まって構成されたビジネスチームです。
  • それぞれの構成メンバーは、自分の持つビジネスや能力によって最大限の個性を発揮しながら、衰退している地方を何とかできないかと考えました。我々は地方創生を目的に社会起業家活動を行うことを自らの哲学としています。だからこそ、我々は地方創生やSDGsのように地元に貢献できる社会活動に情熱を持って取り組みます
  • 現在、構成メンバーが興味を持っている社会問題が、「キノコ農家の減少」と「農業の活性化」です。長野県の小さな市町村の地方創生は農業無くして成し遂げられません。だからこそ、農家のサポートが大切です。

2.ミッションについて

  • 今後、世界人口は増え続け、食糧難が世界的な大問題となります。食糧難は戦争や政治的な争いごとを作る要因になります。日本の農業が衰退すると、日本もまたその渦中に巻き込まれます。そう考えると、これから農業が大変重要な課題となります。農業の時代です。
  • 長野県北信地域はその気候や風土から、日本国内のここだからできる農作物はたくさんあります。そうした農業を守る活動には大きな社会的意義があると考えています。
  • 「キノコ農家を守る事」「SDGsに関わる農業」に取り組む使命感(ミッション)は上述のような理由から生まれています。

3.今後のビジョンについて

  • 当団体の今後の活動ビジョンとして、約5年間、キノコ農家のサポート事業を行っていきます。カブトムシ・クワガタ事業は、あくまでもその事業の一部です。他には、キノコの販路拡大や国産菌床の普及活動を行っております。
  • まず、5年間をひとつの区切りとして活動します。その後、検証して課題を見つけて継続したいと考えています。
  • また、そこから派生して新しい何かが見つかったら、その社会活動に全力でチャレンジしていくつもりです。